パソコン活用研究ラピュタへの道(アセンブラ、DOS、Windows、旧型PCの活用研究)

*Windows userのためのLinux入門* 
1FDディストリビューションをとりあえず使ってみる

0 前置き

動機、理由は何であれ、ともかくLinuxを使ってみたい、というWindowsのUserが最近増えているのでは
ないでしょうか。
(A)Windowsに飽きてしまった?
(B)Linuxを覚えたい(仕事で必要とか)
(C)Linuxで古いPCを有効活用したい(ファイルサーバにするとか)
などなどの理由で。

最近は、既にWindowsが動いているPCのパーティションを切り直して、Linuxをインストールして、
デュアルブートマシンにしてしまうなどという荒業ができるようですが、この荒業でデュアルブート化
すると多少マシンに不具合がでることもあるようです。(おじさんの会社のPCもそうでしたが)
Windows上にあったファイルがなくなったり、開けなくなったり、Windowsの動作が不安定になったり
正常に終了しなくなったりという不具合をおじさんも経験しています。(うまく、デュアルブート化できる
ことも多いのでしょうが。)

おじさんの場合、Linux専用マシンを作るほどの必要性はとりあえずないし(マシンもないし)、
さりとて、Windowsの動いているマシンのハードディスクにLinuxをインストールするのはいやだし、
(だいたい、HDDに空き容量がないし)
フロッピーディスクからLinuxが起動できて、ちょっとだけ使えればO.K.というのが、おじさんの要件
であったので、いわゆる1FDディストリビューソンLinuxというやつを探してみました。

1FDディストリビューションというのは、Linuxが1枚のフロッピーディスクに収まっていて、
フロッピーディスクからLinuxを起動できる(=すなわち、ハードディスクにインストールする必要のない)
というLinuxです。

この1FDディストリビューションLinuxというのは、主に、レスキュー用(HDDが言ってしまった時の
レスキューディスク)であったり、古いマシンを軽くサーバに仕立てるためのものでありますが、
ちょっとだけLinuxをかじってみたい、けど、HDDにインストールするのはいやだ(できない)という
WindowsユーザのLinux入門には手ごろなものです。

それでは、1FDディストリビューションでちょっとだけ、Linuxをかじってみましょう。


1 1FDディストリビューションの入手

さすがLinuxというべきか、1FDディストリビューションといってもたくさんあります。
おじさんは、とりあえず「HAL91」というのが、評判がよさそうだったので、これをGETしてみました。
これは、レスキュー用に作られたもののようです。
HAL91 からhal91.img というファイルをダウンロードして下さい。

HAL91はファイルシステムとしては、vfat(FAT、FAT32)とext2(Linuxのちょっと古いファイルシステム)
に対応しています。これは便利です。Linux(ext2)のハードディスクのみならず、Windows95/98/ME
のハードディスクも読み書き可能です。Windowsマシンのレスキューディスクとしても活用できそうです。
ネットワーク機能もあるし、Windowsで作る起動Diskより使えるかも
ただし、NTFSには対応していないようです。

さて、入手したイメージは、DOS窓(コナンドプロンプト)からrawrite.exe で1.44M DOSフォーマットの
フロッピーディスクに以下のように書き込んでください。(rawriteはHAL91のサイトからもGETできます)
rawrite.exe -f boot.img -d a

さて、出来たフロッピーディスクをPC/AT互換機に入れて、電源ONすればHAL91がめでたく起動する
はずです。
HAL91はRAMディスク上で動きます。ですので、このままでは、作成したファイルなどは、電源OFF
すると、跡形もなくきえてしまいます。ファイルを保存したいのなら、フロッピーディスクや、HDDに
アクセスして保存する必要があります。
次の章で、まずフロッピーディスクやHDDへのアクセスの仕方を書いておきます。

2 マウント(Mount)

さてさて、Windowsでは、Windowsが起動すれば、フロッピーやHDDや、CDはすぐにアクセス可能と
なります。
何も気にすることなく、フィロッピーディスクや、CDを入れ替えて使えます。
Windowsではこれは当たり前なことでしたが、Linuxでは、これらのデバイスを使う前に、マウントという
作業をしてやらなければなりません。メディアを交換する時(新しいフロッピーディスクに入れ替える時)
にもマウントという作業をしないといけません。
マウントしないと、フロッピーディスクやHDD、CDにアクセスできないのです。

では、HAL91でマウントをしてみましょう。
まずは、CD-ROMを使えるようにマウントしてみます。
おじさんのPC(東芝 Dynabook 2540)では、CD-ROMはhdcと認識されているようなので
以下のようにコマンドを記述しました。
# mount -t iso9660 /dev/hdc /cdrom
これで、CD-ROMにアクセスできるようになりました。
-t の後には、そのドライブのファイルシステムを記述します。

画像1

Linuxでは、Windowsで言うドライブ(A: とかC:とか)という概念を使いません。全てはディレクトリとして
扱われます。上記ではCD-ROMドライブは、'cdrom'というディレクトリとしてアクセスすることになります。
Windowsユーザーには最初、わかりにくい点です。
MS-DOSユーザーなら、subst 的な感じといえば理解しやすいかもしれません。(実体はかなりちがう
のかもしれないが)


では、次にフロッピーディスクを使えるようにマウントします。
# mount /dev/fd0 /floppy

画像2

USB接続のフロッピーディスクから、HAL91の起動はできますが、USB接続のフロッピーディスク
のマウントはできません=アクセス不可(おじさんはFMV(Windows XP)にUSB接続のFDDをつなげて
やってみましたができませんでした)


その次は、ハードディスクにアクセスできるように、マウントしてみましょう
# mount -t vfat /dev/hda1 /mnt
vfatはFATとFAT32のファイルシステムの指定です。
画像3

以降、Linuxの基本コマンド(必須)について解説します。


3 cd(ディレクトリ移動)とls(ファイル、デイレクトリの一覧表示)

ディレクトリを移動したい時は cd ディレクトリ名です。
例えば
[1:/] # cd floppy
[1:/floppy] #
のように使います。
ひとつ上の階層に戻りたい時は、cd .. です。

ファイル、ディレクトリ名を一覧表示させたい時は、ls です。
上記の画像1,2,3を見て下さい。


4  cp(ファイルのコピー)
ファイルをコピーしたいときは、 
cp ファイル名1 ファイル名2 
です。
ファイル名にはディレクトリ名も含めて下さい。

画像3に例があります。
[1:/mnt/myprog] # cp konoya.for /floppy/konoya.for
mnt/myprog (ハードディスク Windows風にいうと c:\myprog)にある konoya.for というファイルを
floppy(フロッピーディスク)に同名のファイルとしてコピーしています。

画像3では、コピー後、floppy に移動してls で、konoya.for がコピーされていることを確認しています。


5 less(テキストファイルの中身表示)
less ファイル名
でテキストファイルの中身の表示をします。
画像4は、先ほどコピーした、konoya.for の表示です。(Fortranのソースファイルです)
画像4


6 umount(アンマウント) , exit
マウントしたフロッピーディスクをアンマウントせずに、引っ張り出して、別のフロッピーディスクを
差し込むと、フロッピーディスクの中身が破壊される可能性があります。
CD-ROMにしろ、HDDにしろ、マウントしたものは、必ずアンマウントして下さい。
umount (マウントした)ディレクトリ名
でアンマウントできます。

Linuxを終了する時は、exit して下さい。
画像5


7 終わりに
とりあえず、Linuxをちょっとだけかじってみました。
HAL91は結構使えます(Windowsのレスキューディスクとしても活用可能なくらい)
Linux入門用としては、いい素材ではないでしょうか。


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