趣味の宝箱(インターネット活用研究 番外編)

言葉のレトリック

言葉のレトリックというか、ネーミングの罠というか、僕たちは結構名前にだまされていることがあります。
ネーミングの罠を見破る、ということについて考えてみたいと思います。

僕が言葉のレトリックというと真っ先に思い浮かべるのは、あれです。あれはいっつもすごいですよね。
もう、みえみえで、言いまくる。誇大なのはわかりきってるけど、言うしかない?という感じ。
南向き日当たり良好。(そっちに高層マンションがあるのに?) 駅まで徒歩5分。(走れば?)
緑と公園に囲まれた閑静な高級住宅街。(灰色に囲まれたじゃない?) とか。
99%の女性が***の男は嫌いだと言ってます(誰がそんなアンケートとった?)
2週間で英語がぺらぺら(だったら、今ごろこんな苦労してねーよ)
全米No.1の ・・・(来る映画全部、全米No.1だよなあ)
これはもう枕詞ですよね。「あしひきの山鳥のおのしだりおのながながしき夜を一人かもねむ」です。

ま、これはみえみえで、みんなもよく心得ていることだから、なんてことはないでしょうが、
一般の小売商品だと、時々失敗したなー、ということはありますよね。
ちょっと名前にだまされたなーということが。

また、言葉のレトリックについて、サイモンという心理学者が行った実験があります。
「政府は、外国への支援費をどれくらいかけたらよいと思うか」という質問と、それを言い換えた
「政府は、貧困国への援助をどれくらいにしたらよいと思うか」という質問をした場合、後者の方が
相当高額な回答がなされたそうです。
僕たち、結構罠にはまっちゃうようです。

さて、言葉の罠にはまったのに意外にきづかないままでいるという例をもう少しあげましょう。
昔(はるか昔?)、「セポイの反乱」というのをどこかで学びませんでしたか。
全然聞いたこともない?世界史の時間は居眠りの時間でしたか?
インドに対するイギリスによる植民地支配に対してセポイ(=インド人傭兵)がおこした反乱、という風に
教科書には書いてあったと思いますが、これはイギリス側のネーミングです。なんだかこれでは、セポイが
イギリスの支配に対して反乱をおこしたんだ、という程度の認識になってしまいますが、インド側では、これを
「対英大反乱」あるいは「対英革命」と呼んでいます。そう、インド側の認識は革命なんですね。反乱だなんて
とんでもない、ふざけるな、これは革命だ、というのがインドの主張です。かなり認識の違いがあります。
歴史上の出来事に対するネーミングでは、これに類することはたくさんあります。
他には、例えば、秀吉の「朝鮮出兵」。日本側は出兵とか言ってますが、韓国に言わせると
日本による侵略だ、ということになります。出兵と侵略じゃ45度と90度ぐらいの温度差があります。

まあ、他にもあげれば、片や「進出」といい、他方は「侵略」というだの、
片や「***の変」とか「***事変」 といい、他方は「***戦争」という例は、掃いてすてる程
あります。
どちらが、より客観的に正しいのか、という評価はここでは置いといて、歴史の教科書にもネーミングの
罠が随所にあったのですね。
まったく、おじさんの独断と偏見で言えば、日本の歴史の教科書は西欧中心の史観で記述されているので
アジア、アフリカに対する扱いがひどいような気がします。まったくの余談ですが。

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